「写真に封じ込められたものは二つの概念の誤った混乱の結果のよ
うである。現実にあるものと生きているもの。写真は物体が現にあ
ったと示すことによって生きているという風に認識させる。それは
現実が永遠のごとく絶対的であるという妄想があるから。だがその
現実を過去に運ぶことによって(「それは起きた」)もうすでに死
したことを暗示する。だから述べるなら写真技術独自な特性(ノエ
ム)は誰かがある対象を正真正銘に見たということ(その対象が物
であっても)。」
Rolland Barthes – Camera lucida – 1980
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